Cambodian Taxi Driver
Posted on 2010.4.22. : 1:53 AM
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ふた月ほど前、「個人的なカンボジア貢献的な。」で書いた「ふと思うところ」の結果がこの作品。最初にひとり旅をした2005年からカンボジアという国に興味を持ち、かれこれ5年をかけて構想と制作をしてきた。いつ「Cambodian Taxi Driver」というタイトルエントリーできるかを夢見てこのブログを立ち上げた。
2005年、2007年と作品をWebやバーギャラリーで発表してきたが、多くのカンボジアに住む人々に触れ合い、自分が「誰か」に伝えたい本質は、美しい風景や子どもの笑顔だけではないことに気づいた。自分にしか作れない「作品」として、本質を形にしていこうと思った。
最初、その形は小説だった。今回の作品と同時に発表できれば良かったのだが、実は未だに完成していない。複線やストーリーテリングの思案に暮れている。ずっと、これまでに会った人々を役に置き換えてストーリーを創り上げていった。その中で、2007年にバイタクドライバーになったHongの顔がずっと離れず、彼を主役に空想上のストーリーを展開させた。
一度でもアンコールワットへ旅行したことがあれば必ず接したことがあるはずのバイクタクシードライバー。多くの旅行者は、彼らの生活のことなど気にすることもなく、古くはアンコール王朝が創り上げ、自国で破滅に導いてしまった美しく貧しい国を一瞬で通り過ぎてしまう。悪しきことに、人によってはあからさまに蔑んだ視線や行動で、住む人々の心を傷つけ去っていく。
初めて旅をした2005年。とあるアジアの国のツアー客が、ボクと折り紙で遊んでいた小学生の女の子を、突然囲み記念写真を撮り、礼もなく1ドル札を投げつけるように立ち去った。その光景は一生忘れることはないだろう。隣国の同じ顔つきのボクは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。バンテアイスレイに住むその子には、カンボジアに行くたび会うようになり、日本の色鉛筆やステッカーをプレゼントしている。その子のお母さんには自転車を買ってあげてくれとずっと言われているが、それはまぁ、それとしてだ。
とにかく、金銭的に貧しいことや、表面的に憐れむに値するさまざまな要因がありすぎて、人間性を知り、互いを深め合うに至らないところでコミュニケーションが寸断されてしまっている。ボクはそれを変えたいのだ。多くの人は「カンボジアはかわいそうな人がたくさん住む国」と思っているはずだ。それは、違う。社会や医療、教育、内戦の影響、経済状況など他国との情勢は全く違えども、今、カンボジアに住む人々の「心(こころ)」は、僕らと何ら変わらない。男子はモテたいし、女子はキレイになりたいし、僕らと同じように誰かに恋し、失恋もする。流行の曲を歌い、仕事への夢を持ち、子どもを大切に育て、友達と酒を酌み交わし、スポーツ番組に一喜一憂する。生きることに対する情熱や不安は、ボクらとまったく一緒だ。
伝えたいことを文章にしていった時、またカンボジアに行けるタイミングが見つかった。2009年の初春だった。小説のシーンを思い描いていたボクは、コンテを起こし、オールロケのシネマチックフォトグラフィを作ることに決めた。数少ない現地のツテを辿り、主役は当時プノンペンに移り住んでいたHong本人に演じてもらった。彼女役のSophearはコーディネートを担当してくれたVisalの当時の彼女。今はプノンペンで美容師の勉強をしている。車のドライバーPisythのトヨタカムリに箱乗りし、国道6号線を西へ東へ爆走しながらの撮影だった。日本人と見るや衣装代をふっかけられたり、一般的に売春の温床と言われているナイトクラブでの撮影を申し込むが断られ2日無駄になったり、Visalに借りたバイクはなぜか「Press (報道)」のバイクだったり、計画通りに行かないことも多々あったが、宿泊先のRelax & Resort Angkor G.H.のスタッフにも助けられ、なんとか1週間で主要なシーンを撮り下ろした。
そこから、作品として現像や編集をするために1年近くを要した。思いを形にするために20回以上現像し直した。その都度編集をし直し、シーンタイトルを差し込み、これまでのライブラリからも作品を加えた。デジタル現像だからこの期間で済んだが、フィルムだったらまだ完成していないだろう。2010年に入り、再度カンボジアを訪れる機会ができ、それまでに作品を形にして、お世話になったみなさんにプレゼントしたい思いもあった。初稿をまとめ、現地で初めて多くの人に作品を観ていただき、ゲストハウスのヘンリーさんや山本さんをはじめ、ありがたい言葉の数々を得て、その時、先に写真作品を発表することを決めた。そうしてできた120枚あまり。同時に映像作品としても制作を進めている。音楽は仕事で懇意にして頂いているサイン山崎功氏に快く引き受けて頂いた。
そして運良く、ソニックジャムとよ田キノ子氏経由でメタミーム宇田川海人氏から空きギャラリーのオファーがあり、プロジェクト初となる個展を銀座ギャラリー「巷房」3Fにて7/12-7/17に開催することになった。B1ではとよ田キノ子氏の個展&2人のコラボ作品も発表する。
今後、さまざまなデジタル出版やアプリ販売を予定しているが、紙の写真集はやっぱりフォトグラファーの夢…。個展後、出版社を回る予定。
みなさんのおかげでようやく発表の機会を得ることができました。本当にありがとうございます。
ぜひ、ギャラリーまでお越しください。毎日お待ちしています。
最後に、いつもこっそり応援してくれていた彼女にも、ありがとう。
http://motake.com/cambodiantaxidriver/
New Project
Posted on 2010.1.5. : 8:37 PM
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3年ほど制作を続けている作品テーマがある。そろそろ、その一部を公開できる目処が付いてきた。何を主張したいのか、媒体は何を使うのか、全体のロードマップは見えているのか、そもそも面白い作品なのか。山ほど考えることはあるが、出るところではババーンと出したい。これ以上温めても機を逃す。せっかくのチャンスも活かしたい。成長する作品にできるようにだけ配慮しよう。
Shanghai Plats
Posted on 2008.8.25. : 2:02 AM
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北京オリンピックの開幕と時を同じくして過ごした上海での十日間。至る所バナーで溢れる街を往く人からオリンピックの盛り上がりは感じない。特に変わらない毎日。朝の公園には多くの人が集まり太極拳やダンスに興じる。夜のレストランには食事と会話を愉しむ人で溢れ、壁にメダル獲得の予想表が貼られた店内で放映される中継映像には目もくれない。日中戦の女子サッカーを見守る我々は、勝利したことに恐々としながら店内を出る。ホテルに帰りテレビを付ける。連日放映されるオリンピック番組の合間には中国を讃える数々の映像が差し込まれる。スポーツで国家一丸とアピールする姿勢は日本のテレビと変わりない。
過去、日本で見てきたオリンピックを振り返ると、テレビと知人との会話とで喜びや嘆きを共有し感じ得ていた。街からオリンピック然としたなにかを感じることはなく、映像と言葉による脳内興奮を得ていた。ただ、2002年の日韓共催ワールドカップでは、自国開催のお祭りムードと強い代表チームへの期待から、全身で沸々とした盛り上がりを感じた。自国開催が盛り上がりの要因だとすれば、この上海ではまるで他国のオリンピックを見ているようだ。それは言葉が不自由で脳内興奮を得られない分、自分だけがさらっと感じたものなのかもしれない。
上海地図<Shanghai Plats>と名付けた今回の作品は、いつもどおり、街や人、生活を記憶の色に残すことがテーマであり、たまたま訪れたオリンピックが時代の符号として写っている。今という時代を写真に残す中から見えてくる、発展する経済と刻々と変化する街。上海は2010年の万博に向けて、すさまじい勢いで都市開発が行われている。この街や人々の生活はどのように変化していくだろうか。朝の食事を豊かなものにする露天の肉まん屋。街角で夕涼みをするおばあちゃん。出稼ぎでおみやげを売る家族。数々の歴史ある道々。皆どこに行くのだろうか。開発の裏で失うもの。それは、それが新しい日常になってしまうことで忘れ去られるだろう。しかし、古くから残る全ては今を形成する為に存在した大いなる遺産であって、それ無しには成し得なかったこの大都会上海の「今」を見た記憶として残しておきたい。
再び上海を訪れた時、新しい地図にはこの写真をプロットできるだろうか。
About retrospective とは?
Posted on 2008.5.22. : 10:15 PM
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過去より人々が目指した撮像技術向上は、正確に物事を写す機械としての道を辿ってきた。その結果、周辺ボケもない、手振れもしない、三脚もフラッシュも要らない、自動色補正による抜群の色乗りという様々な恩恵。だが、そんな時代に着実に悶々と蓄積されるモノクロフィルムに対する憧れは、想像力を沸騰させるレトロスペクティブな明暗と、アナログな粒状から生み出される空気感に対するものなのだと理解している。ということは、向上した機械性能により作り出された絵が下世話なワイドショーのように多くを語りすぎているならば、必要ない部分を少し隠してあげることでドラマチックな物語を語り出すのではなかろうか。
そんなわけで撮り始めたデジタル×モノクローム作品「About retrospective」。カメラはCANON IXY DIGITAL 910 IS。Lightroom & Photoshopで処理。実験的な作品なので、加工処理が最適化出来るまではこのブログに掲載。
Carl Zeiss Distagon T* 28/2.8
Posted on 2008.5.1. : 3:30 PM
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この写真を撮ったレンズはCarl Zeiss Distagon T* 28/2.8。CONTAX用のレンズで、もう生産されていない。中古屋さんで比較的安価に手に入る。繊細な描画と強いコントラスト、柔らかいグラデーションが素晴らしく、逆光時のフリンジやフレアが極めて少ない。リアル感と空気感を、バランスの良いレベルで写し取る。マウントアダプターでEOSに装着し、一時期、頻繁に使っていた。だが、上の写真を撮った直後、レンズを付けたまま、誤ってカメラを胸の高さからアスファルトに落下。レンズ正面下部から斜めに直撃。PLフィルタが砕け散るものの、付けていたおかげでレンズ自体は無事。確かな描画力は衰えずにいたが、レンズ先端が楕円形に歪み、フィルタを付けられなくなってしまった。それからあまり使っていない。そろそろまた出番か。EOSでZeissレンズを始めたい方には、価格、質ともにお薦め。
カンボジア2007.12.14〜21テーマ編
Posted on 2008.4.19. : 2:48 PM
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カンボジアの豊かさ
カンボジアの食生活は豊かだ。農村の米は年に三回も四回も穫れる。メコン川やトンレサップ湖には魚介類が溢れる。家畜や獣はもちろん、蛇でも虫でも食べる。村では自宅で蒸留酒やパームビールを造る。庭に成った椰子の実をジュース代わりに振る舞う。市場には新鮮な食材が大量に並び、朝から晩まで老若男女でごったがえす。
ポルポト政権時代には隣国に難民が散った。政権は貨幣を廃止し、社会インフラを全て破壊し、家族を破壊し、教育を破壊し、結果、食文化も破壊した。当時、処刑者、餓死者や病死者を合わせた犠牲者は百三十万人以上と言われる。あの頃、日本では募金を募るCMが盛んに流れた。だから、貧困な国だと強く意識化に刷り込まれた。
確かに現在でもGDPひとりあたり454ドル(2005年)と日本の75分の1(日本は34,181ドル(2005年))ほどの経済規模にしか見えてこない。しかしこの国の食料自給力はほぼ100%。日本ではお金がないと食料が手に入らないが、カンボジアでは都会以外は物々交換の場合もあり、貨幣経済では換算できない価値が存在する。お酒に見る自給力の低さ(21.3%)も前述したように一歩農村に入れば自宅で造っているから、カウントすらされていないだろう。ただ、年10%以上の急激な貨幣経済成長が今後もたらす影響は、おそらく都市部と農村部の貧富差を強め、現状の政治力では手に負えない状態になっていくかもしれない。
カンボジアの人々
カンボジアは人々の心も豊かだ。敬虔な仏教徒の国。人々の慈悲の心にはたびたび驚かされる。ローカルな食堂や屋台ではたびたびおかずのサービスを受ける。隣に座った学生グループに酒を注がれる。土産物屋の子どもがガムをくれる。
夕刻、撮影スポットを探して湖の広がる田舎道に。バイクタクシーでうろうろしていると「ご飯食べていくかい?」「もうすぐ出来るから待ってな」「このエビ持って行きなさいよ」などと、バラック小屋に住む見ず知らずの家族があちこちから手を振り声を掛けてくる。とても人に施しを与えている場合じゃない家構えや風体でも、旅人をもてなす精神は忘れない。そして皆、笑顔だ。
子どもたちは屈託のない笑顔でレンズを覗く。女性は皆恥ずかしそうに笑う。男性は皆おどけて強さより楽しさを表現する。老人は皆とても謙虚に微笑む。会った誰しもが幸福に感じる様々な笑顔。
そして
前回の撮影旅行を振り返り、この国にもう一度興味を持った。おおらかで優しく時に厳しい、強い人々を育む大地。深い深い歴史を背負って生きる、純朴な人々。
数百年前からある遺跡は、この土地と人々無くしては存在し得ない。その遺跡の今と、共に生きる人々と、とりまく環境を写したい。人々の生活に入り込み、多くの人々と接し、今のカンボジアを写したい。
いつも思い出す、笑顔と笑い声。写真に写るかわいらしい少女は大きくなっただろうか。この老婦人は元気にしているだろうか。食堂の客引きだった少年はちゃんと学校に通っているだろうか。ベトナム人のスイーツ売りの婦人はまだ居るだろうか。
皆、二年も経って覚えていないかもしれない。でも、プリントとフォトスタンドを持って行こう。まずは皆と巡り会った土地をもう一度訪ねて、再訪したこと、あなたの住むカンボジアが好きですということを伝えよう。
そんな想いで、旅立った。
Life of flowers in Kyoto
Posted on 2008.4.12. : 1:20 PM
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近年、春、秋と、半年に一度は京都を訪れている。
なにゆえかといえば、写真撮影はさておき、「食文化」が素晴らしいということ。懐石料理、日本酒、寿司、うどん、蕎麦、豆腐…、ひとことで表現すれば「旨い」に尽きる。
今年は無理かと思っていたのだが、諸事情あって大阪に行くことになり、ついでに京都にも寄ることができた。日程は抜群で両日とも晴天。
そんなわけでいつも行ってる京料理屋さんに加え、大阪のソウルフード、いか焼き(阪神百貨店地下街:スナックパーク)、たこ焼き(新梅田食堂街:はなだこ)を堪能。たこ焼き屋では、カウンターに中学生からおばあちゃんまでが立ち並び、見ず知らずであれ、おしゃべりしながら楽しそうに食べているのが印象的だった。皆、人に優しい。この東京では、下町ならまだしも梅田のような大都市、例えば銀座?では、そんな風景を見たことがない。人情を残したまま大都市になった街、そんな印象。あまり知らない街なのに言い過ぎか?ともあれ会った大阪の人はみんな素敵な人たちだった。
まぁそんな感じで京都の写真をアップ。
Life of flowers in Kyoto
桜咲く
Posted on 2008.4.3. : 9:23 PM
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代々木公園にて。
カンボジア2007.12.14〜21機材編
Posted on 2008.3.30. : 9:48 PM
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手ぶらで撮影することを目標に、二年前の撮影同様、動きに制限の出る肩掛けバッグや、荷出しの手間がかかるバックパックを避け、ヒップバッグを選択。バッグ容量をさらに増やすために、一年ほど前に買っておいたTHE NORTH FACE DAY HIKERをチョイス。12 Lの容量、二つのサイドポケット、レインガード付きと、抜群の機能性。なかなか容量のあるヒップバッグが少なくて選択に困った。このDAY HIKERも取り扱い終了とのこと。
カンボジアに持ち込んだ機材は以下の通り。
- メインカメラ(Canon EOS-1Ds Mark II
)・予備カメラ
- サブカメラ(CANON IXY DIGITAL 910 IS
)
- EF24-70mm F2.8L USM
- EF70-200mm F2.8L IS USM
- EF50mm F1.8 II
- SLIK 三脚 トラベルスプリント
+ 雲台 SH-703
- メモリカード 8GB + 2GB×3
- PowerBookG4 12″




